ほごログ(文化財課ブログ)

2025年11月の記事一覧

11月の考古学関係展示会、イベント情報

近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)

(春日部市発掘調査現地説明会)
・12月12日(金曜日)13時30分から14時30分 貝の内遺跡発掘調査現地説明会(申込不要)
場所:春日部市西宝珠花593:大凧文化交流センターハルカイト内)
*駐車場あり(施設内満車の場合は大凧公園へ)
春日部駅東口より関宿中央ターミナル行き朝日バス「大凧公園入口」下車徒歩6分
バス時刻 12:46発→13:15着 12:58発→13:30着 13:21発→13:50着 13:32発→14:01着

 

(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・12月6日(土曜日)~12月21日(日曜日)
行田市教育文化センターみらい(行田市・パネル展示)

 

(展示会_閉会日順)
・12月8日(月曜日)まで 羽生市役所
「永明寺古墳県指定10周年記念パネル展」 主催:羽生市教育委員会
*以下巡回します
1月17日(土曜日)~2月16日(月曜日)村君公民館
3月7日(土曜日)~5月6日(水曜日)羽生市立郷土資料館

・11月30日(日曜日)まで 上高津貝塚ふるさと歴史の広場(考古資料館)(茨城県土浦市)
上高津貝塚ふるさと歴史の広場開館30周年記念第28回企画展「文字が語るもの」

・11月30日(日曜日)まで 白岡市立歴史資料館(白岡市)
第8回企画展「感じて!縄文土器のぬくもり~掘り起こされた白岡遺産~」 

・12月5日(金曜日)まで 富士見市立中央図書館(富士見市) 主催:富士見市教育委員会
「氷川前遺跡出土の銅鋺展示~古代のムラから姿をあらわした祈りの器~」

・12月7日(日曜日)まで さいたま市立浦和博物館(さいたま市緑区)
企画展「注目!縄文土器~注口土器」

・12月7日(日曜日)まで 武蔵国分寺跡資料館(東京都国分寺市)
令和7年度秋期企画展「発掘された国分寺市2025」

・12月28日(日曜日)まで 船橋市飛ノ台史跡公園博物館(千葉県船橋市)
「ふなばしを掘る 発掘速報展」

・1月12日(月曜日・祝日)まで 難波田城資料館(富士見市)
「日常使いの近代『セトモノ』展~蔵に眠っていた食器~」

・1月25日(日曜日)まで 藤岡歴史館(群馬県藤岡市)
秋季企画展「再発見!時代を創った古代藤岡のモノづくり -発掘された日本列島2018・2024を振り返る-」

・1月25日(日曜日)まで 岩槻郷土資料館(さいたま市岩槻区)
企画展「さいたま市の土偶たち」

・2月15日(日曜日)まで 下野市立しもつけ風土記の丘資料館(栃木県下野市)
企画展「下野市内の遺跡IV 律令国家の転換と『下野国』古代の制度改革~人がいない・予算がない~」

・3月1日(日曜日)まで 千葉市立加曽利博物館(千葉県千葉市若葉区)
令和7年度企画展示「加曽利B式展ー加曽利の名を持つもう一つの土器ー」

・5月17日(日曜日)まで 群馬県埋蔵文化財調査センター(群馬県渋川市)
令和7年度最新情報展第2期「縄文土器がつくられはじめた頃ーみどり市下谷戸B遺跡の発掘調査から」

(講演会)

・1月18日(日曜日)明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン3階アカデミーホール
主催:明治大学日本古代学研究所(インターネットから申込み)
学術講演会「ヤマト王権と佐紀古墳群」

・2月7日(土曜日)埼玉会館小ホール(さいたま市浦和区)
主催:埼玉県埋蔵文化財調査事業団(11月4日からホームページから申込み)
令和7年度東京・神奈川・埼玉埋蔵文化財関係財団普及連携事業公開セミナー
「弥生時代が終わるころ~ムラのカタチとヒト・モノの流れ~」

(現地説明会)
・12月6日(土曜日) 国指定史跡真福寺貝塚 現地見学会(さいたま市岩槻区)
主催:さいたま市教育委員会(申込不要)
午前の部:10時から11時30分、午後の部:13時30分から15時

・12月14日(日曜日)宅地遺跡遺跡見学会(行田市)
主催:埼玉県埋蔵文化財調査事業団(11月25日よりホームページから申込み)

【手作りおもちゃクラブ】BB弾転がしを作ろう!

12月7日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。

 

今回作るおもちゃは「BB弾転がし」です。

BB弾転がし画像

昨年度から作り始めた準新作のおもちゃです!
郷土資料館の昔のおもちゃコーナーにある「ビー玉転がし」をコンパクトにし、短時間で作りやすく設計したものになります。

 

しかし、小さいから簡単かと言えばそうでもありません。
よかったら以下の動画をご覧ください。

 BB弾がよ~く転がるため、僅かな傾きでも勢いよくすすんでしまい、コントロールが実に難しい!集中力と繊細な動作が求められます!
自作のコースを作ったりしても面白いと思いますよ♪まずは、今回参加して作り方を教わってみてください!

 

手作りおもちゃクラブはお申込不要、おもちゃの材料も資料館で用意しています。
当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

【手作りおもちゃクラブ】
日時:令和7年12月7日(日)午前10時30分~・午後2時~
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:蓄音機と紙芝居の上演
   おもちゃづくり(BB弾転がし)
費用:無料
申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)

 

12月12日(金)にハルカイトにて発掘調査現地説明会を開催します

令和7年8月から、大凧文化交流センター(ハルカイト)駐車場造成予定地において、貝の内(かいのうち)遺跡29次地点の発掘調査を実施しています。

つきましては、調査の成果を市民の皆さまへお知らせしたく、下記日程で現地説明会を開催しますので、お気軽にご来場ください。

1 日 時  令和7年12月12日(金)午後1時30分~午後2時30分
※小雨決行 荒天の場合は中止
2 場 所  春日部市西宝珠花593 大凧文化交流センター(ハルカイト) 多目的広場
※下記の地図をご覧ください。

3 問い合わせ 春日部市教育委員会文化財課 048-739-6811
※事前申し込みは不要です

 

大凧文化交流センター「ハルカイト」公式ホームページ

https://www.city.kasukabe.lg.jp/soshikikarasagasu/kankoshinkoka/gyomuannai/7/1/1/2/25209.html

 ▲古代の住居跡

歴史文化講演会「古利根川の変遷ー最終氷期最盛期から利根川東遷前まで」を開催しました

11月22日(土)歴史文化講演会「古利根川の変遷ー最終氷期最盛期から利根川変遷前まで」を開催しました。講師は、『春日部市史自然誌編』を監修・執筆された平社定夫先生、当日は71名の方にご参加いただきました。ご講演いただいた平社先生、ご参加のみなさま、誠にありがとうございました。

 

利根川は、約2万年前の最終氷期には、現在の荒川が流れる荒川低地を流下していました。この利根川が中川低地に流れ込んで来た時期は、研究者によって意見が異なりますが、早くて縄文時代後期、遅くても古墳時代には、移り変わっていたようです。

また国土地理院が提供している標高分布から、自然堤防の峰を図上で特定し、その内側にある古利根川や古隅田川の旧河道が、現在よりも広い流路をもっていたことがわかっています。

『春日部市史ー自然誌編』にも掲載されている平社先生のご研究では、中川低地に移り変わった利根川は、複数の河道を流れ、分岐と合流を繰り返しながら東京湾へ流下したとされています。これは「分岐河川(anastomosed river)」と呼ばれ、「分岐河川は、はんらん凹地("flood basin"の平社先生による仮訳)を囲む2本以上の相互に連結した流路によって構成される。」と定義されています(Makaske 2001)。

当日は、こういったことに基づき演者の到達点として、旧河道の流量推定や各時代の流路が先生から示されました。この内容は、まだ未発表の内容とのことですので、ここでは詳細は避けますが、非常に刺激的な内容であったと思います。

ご参加いただいた方からは、地図を手元に置きながら調べてみたい、専門用語について詳しく知りたい、という声もいただきました。

今回のご講演の元になる内容は、平社先生が監修・執筆された『春日部市史ー自然誌編』に掲載されています。図書館で借りられるほか、1冊3,000円で販売もしております。用語解説やスライドに使用された図なども多く掲載されていますので、ぜひお手にとってご確認ください。

春日部市史自然誌編のご案内

アンケートではこのほか、平社先生の最新の研究成果をお話していただく講演会を継続してほしい、(質問があった)地球温暖化による海水面の上昇についての講座を開催してほしいなど、理系的な講座の開催のご希望もいただきました。昨年度、フィールドワークとして行った地学さんぽに参加されている方もいらっしゃったようです。

今後もご期待いただくとともに、本日のご講演をきっかけに、古利根川を再認識していただければ幸いです。平社先生、ありがとうございました。

 

引用文献:Makaske, B. (2001) Anastomosing rivers: a review of their classification, origin and sedimentary products. Earth-Science Reviews, 53: 149-196.

楽応寺で恵比寿講(えびすこう)が行われました

11月20日(木)、内牧地区の楽応寺で恵比寿講(えびすこう)が行われました。恵比寿講は、商家では商売繁盛を、農家では五穀豊穣を祝福して、七福神の一人である恵比寿をまつる行事です。

楽応寺では、毎年11月20日に行われています。

先日の石造物部会の巡見の際に恵比寿講のお話を聞き、今回うかがったところ、地域のみなさまがあたたかく迎えてくださり、昔のお話などを聞かせていただきました。

楽応寺では、地区の方が3班に分かれ、1年交替でお寺の役を担当し、恵比寿講の準備をします。

薬師如来の前にお供えの段をつくり、地域の方がおもちやお米、みかんなどを供えていました。薬師如来にはお味噌汁とまぜご飯がお供えされています。

 

恵比寿講が終わったら、2段のおもちの上の段は奉納した人にそのまま返し、下の段はお寺で預かり、切って奉納者のみなさんに配ります。

昔はお供えに来た人に対し、前年に供えられた米を炊き、揚げ物や煮物などの精進料理を用意して、もてなしていました。また、杉戸や岩槻からもお参りする人がおり、屋台なども並んで、とてもにぎわっていたようです。