ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:文化財の保存と活用

豊野小学校で「獅子舞授業」~赤沼の獅子舞~が行われました

 12月4日(木)の5・6時間目に、第3学年の「総合的な学習の時間」を使って「獅子舞授業」が行われました。

 この授業は、令和5年11月の豊野小学校開校150周年記念の式典において、市指定無形民俗文化財「赤沼の獅子舞」・「銚子口の獅子舞」が披露されたのを契機に実施されるようになりました。

 当日は、赤沼民俗文化財保存会の4名が講師として来校され、大切な獅子頭と神楽のお面、大太鼓、しめ太鼓、篠笛もご持参いただきました。

 5時間目は、赤沼の獅子舞の歴史、舞の種類や意味、獅子頭やお面の種類・特徴など、スライドと実物を使った座学の授業です。お話の中で、3匹の獅子頭のうち太夫獅子がどれかをあてたり、ホウガケ(獅子頭とともに被る布)に描かれた鳥の種類をあてたりするクイズがあり、みなさん積極的に参加してくれました。

▼5時間目授業風景

  

 6時間目は、4つのグループに分かれて、獅子舞に使われる道具である獅子頭、神楽面、お囃子の太鼓や篠笛を体験しました。実際に獅子頭を被ったり、お面をつけたり、音を出したりと、大盛り上がりでした。

 次回2月は、太鼓と笛と踊りの3班に分かれて、舞の基本である三番叟(さんばそう)とぶっきりを練習する予定です。

 6時間目の最後に聞いた感想では、「獅子頭を被ることができて嬉しかった」、「2月の授業では笛をきれいに吹きたい」など、授業の楽しさが伝わる声があがりました。

▼獅子頭

 
▼神楽面

 

▼太鼓

 ▼笛

 

 11日は「赤沼の獅子舞」の兄獅子である「銚子口の獅子舞」を継承する銚子口獅子舞保存会のみなさまが授業を行います。両地区で共通している点と異なる点が見えてくるのが楽しみです。

12月12日(金)にハルカイトにて発掘調査現地説明会を開催します

令和7年8月から、大凧文化交流センター(ハルカイト)駐車場造成予定地において、貝の内(かいのうち)遺跡29次地点の発掘調査を実施しています。

つきましては、調査の成果を市民の皆さまへお知らせしたく、下記日程で現地説明会を開催しますので、お気軽にご来場ください。

1 日 時  令和7年12月12日(金)午後1時30分~午後2時30分
※小雨決行 荒天の場合は中止
2 場 所  春日部市西宝珠花593 大凧文化交流センター(ハルカイト) 多目的広場
※下記の地図をご覧ください。

3 問い合わせ 春日部市教育委員会文化財課 048-739-6811
※事前申し込みは不要です

 

大凧文化交流センター「ハルカイト」公式ホームページ

https://www.city.kasukabe.lg.jp/soshikikarasagasu/kankoshinkoka/gyomuannai/7/1/1/2/25209.html

 ▲古代の住居跡

ハルカイトにて発掘調査を実施中!

現在春日部市では、大凧文化交流センター「通称ハルカイト」にて、発掘調査を行っています。

8月~12月と長期にわたる調査の中で、多くの文化財がみつかっていますので、途中までの調査成果をお伝えします。

 

ハルカイトは、旧宝珠花小学校の跡地を利用して作られた施設で、昨年の8月にオープンしました。現在は大凧あげ祭りに関連した凧の展示や、旧小学校についての展示、そして郷土資料についての展示がされています。


この学校を含めた周辺地域は、「貝の内遺跡(かいのうち)」という遺跡にあたります。
今回、旧校庭部分にバスのロータリーを建設することに伴い、貝の内遺跡では29回目となる発掘調査を行うことになりました。

 

 今回の調査では、現在までに奈良時代~平安時代の建物跡が20軒ほど見つかっています。竪穴建物1

発見された竪穴建物 中央部分にみえる穴は柱を立てていたものです。

建物が2軒重なってみつかりました

2軒の建物が重なって見つかりました。北側にはカマドが設置されています。

建物内でみつかったカマド

カマドの袖部分からは土器がみつかりました。

 

建物跡からは、当時の人々が使っていた生活道具もみつかっています。

須恵器

建物跡内部からみつかった須恵器

鉄製紡錘車

鉄製の紡錘車も見つかりました。

 

発掘調査は、12月まで行う予定です。

折に触れて、調査の様子を紹介していきます。

こども土器作り教室を開催しました

7月23日(水)に毎年恒例の土器作り教室を開催しました。

今年は諸事情により、初めての平日開催、そして小学生限定の「こども土器作り教室」となりました。

毎年、多くのお申し込みをいただき、今年もやむなく抽選となりましたが、20名のご参加をいただきました。

開会の様子

土器を作る様子

 土器は縄文人と同じ「輪積み」という技術で作っていきます。土器の「底」となる円盤を作ったら、粘土をヒモ状にして円盤の上に積んでいき、これを繰り返して形を作ります。粘土のヒモをどんどん積んでいきますが、粘土のつなぎ目をしっかり消すことが上手に作るポイントです。

土器の形を作る様子

 粘土が十分に積めたら、今度は思い思いの土器の形へ整形していきます。最後に縄を転がして、「縄文」をつけたり、竹串や貝殻で模様をつけたり、飾り付けをして土器の完成となります。

完成した土器

皆さん集中して取り組んでいただき、あっという間の3時間となりました。

今年も参加者皆さんの個性にあふれた、数々の土器ができあがりました。

土器はこれから1ヶ月かけて乾燥させ、色はやや白っぽく、大きさは一回り小さくなります。

これからどのような土器に焼き上がるのでしょうか?1ヶ月後を楽しみにお待ちください。

「倉常の神楽囃子」「榎の囃子神楽」「西金野井の獅子舞」が公開されました

7月20日(日)、倉常、榎、西金野井の3地区で指定無形民俗文化財が公開されました。

倉常地区では、地区内の大字境の辻4カ所で辻切りをした後、倉常神社に戻ってから神楽囃子が奉納されました。
倉常の神楽囃子は神田囃子深川流の流れをくむお囃子です。太鼓や笛によって小気味良いお囃子が披露された後、「大黒の舞」、獅子舞が舞われました。
夏の日差しのもと、神社には多くの人が集まり、神楽囃子の奉納の後は、納涼会を楽しみました。


▼大黒の舞                      

▼獅子舞

 

榎地区では、榎の囃子神楽が公開されました。午前中は辻切りが行われ、集会所に戻ると神楽が奉納されました。
榎の囃子神楽は倉常と伝ってきた由来が同じため、大黒の舞や獅子舞など、共通している舞もあります。
太鼓と舞にはそれぞれ小学生と高校生が加わりました。榎地区では、保存会の皆さまが江戸川小中学校で神楽の指導をされています。児童・生徒さんたちを含め全員で、この日のために練習を重ね、本番では素晴らしい音色と舞を披露してくださいました。


 ▼テンタン(オカメの舞)

 ▼テンコサンバ 

                      

 ▼ひょっとこの舞 

 ▼大黒の舞

 

 ▼獅子舞

 

 西金野井香取神社とその周辺では、埼玉県指定無形民俗文化財の「西金野井の獅子舞」が公開されました。

保存会三匹獅子による「芝廻り」や、南桜井小学校の伝統芸能クラブの児童による子供獅子の「芝廻り」、保存会三匹獅子による「雨乞い」などの演目が披露されました。また、神社正面の大鳥居や、江戸川堤の改修の歴史を伝えるかつての参道に配された鳥居(裏参道鳥居)の2か所で「辻切り」により地域の家内安全が祈願されました。祭礼の最後には、拝殿の中で、悪疫を追い払っていただいた感謝と神送りの意味を持つ「注連切りの舞」が舞われました。
子供たちや保存会の皆さんによる素晴らしい舞に、集まった方々からも盛大な拍手が送られました。 

▼芝廻りの舞

 

 ▼辻斬りの舞

▼雨乞いの舞                      

▼注連切りの舞                     

 

保存会の皆さまや地区の方々の努力、そして学校での体験などを通して興味を持った児童・生徒の皆さんの力によって伝統芸能が着実に継承されていきます。来年の夏の公開も楽しみです。

市内の伝統芸能は10、11月に秋祈祷の舞が公開されますので、近づきましたらお知らせいたします。