ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:郷土資料館

市立東中学校の1年生が職業体験にきました 第二日目

本日は東中職場体験二日目でした。

一日目の様子はこちら

 

昨日と同じく、資料館の開館準備からはじめました。

今日は、ロビーに展示している大型資料の清掃もしてもらいました。

清掃終了後、今日は、西宝珠花の大凧文化交流センターハルカイトに向かいました。ハルカイトでは、展示や収蔵庫を見学した後、近くの神明貝塚に向かいました。

神明貝塚では、最近設置された解説板を見て、貝塚の範囲を一周歩いてみました。貝や土器が落ちている状況を観察しました。

午後からは、現在、ハルカイトで行われている発掘調査に参加しました。約1時間30分の発掘調査でしたが、座っている姿勢と、思ったより硬い土にやや苦戦しました。しかしながら、皆さん黙々と働いていました。

短い期間でしたが、この2日間の体験が、今後の人生の何かに役立つと良いなと思います。

【ハルカイトを楽しむ日】12月14日(日)開催です!

12月14日(日)にハルカイト(大凧文化交流センター)で、「ハルカイトを楽しむ日」を開催します!

 ハルカイトを楽しむ日告知画像

 

皆さまにもっとハルカイトを知ってもらおうと、昨年も開催したイベントです。
当日は「しめ縄作り」「ミュージアムトーク」「なぞときハルカイト」を行うのですが、「しめ縄作り」に関しては予約がいっぱいとなっており、当日飛び込みでのご参加はいただけません。
「ミュージアムトーク」(学芸員による展示解説)と「なぞときハルカイト」に関してはご予約不要のイベントですので、当日お気軽にお越しいただければと思います!

昨年度の様子

写真は昨年度の準備風景です。
「ミュージアムトーク」も「なぞときハルカイト」も昨年とは異なるものを準備していますので、昨年ご参加いただいた方もぜひまたいらしてください!お待ちしています!

 

【ハルカイトを楽しむ日】
日付:令和7年12月14日(日)
対象:こどもから大人の方まで
場所:ハルカイト(春日部市西宝珠花593番地)
内容:①ミュージアムトーク 14:00~14:30
   ②なぞときハルカイト 10:00~15:30(受付時間)
              ※所要時間30分程度

市立東中学校の1年生が職業体験にきました 第一日目

12月9日、春日部市立東中学校の皆さんが、郷土資料館に職業体験に来ました。

この事業は、東中学校が独自に実施しているもので、今回は4人の1年生の皆さんが仕事の体験。

まずは、9時。

郷土資料館の開館にあたり、展示ケースを磨いてもらいます。ケースを拭きながら、なかの資料のコンディションもチェックしてもらいました。

写真:ケースをふく中学生

その後、資料館裏側へ。

バックヤードや収蔵庫などを見学してもらった後、週末の体験講座「しめ縄づくり」の準備を手伝ってもらいました。

講座の会場に敷くブルーシートを拭いてもらいました。

写真:ブルーシート拭き

職員1~2名では大変な作業も、4人で協力して進め、あっという間にきれいになりました。あわせて、職員からはぞうきんの絞り方もレクチャーされていました。

続いて、しめ縄の材料となるわらの下ごしらえ。わらすぐりをやってもらいました。

写真:わらすぐり

日当たりのよい場所で、わらすぐりを進めていると、通りがかりの年配の方から、「私でもやったことがない。若いのに感心。がんばってね」と声をかけられていました。中学生の皆さんは黙々とわらを選っていました。昔は農家の子ども仕事だったんだよ、なんて話をしながら、昔のくらしを思い浮かべてもらえたでしょうか。

午後は、自分たちですぐったわらをつかって、しめ縄を作ってもらいました。

はじめは、縄ないから。わらの取り扱いになれない当初は、苦戦していましたが、2本目、3本目になると丈夫な縄ができていました。

つづいて、しめ縄。縒りをかけながら、反対回しにわらを編んでいく、複雑なしめ縄に少し苦戦。2人1組で協力して声をかけながら、各自しめ縄をつくりました。

写真:しめ縄作り

複雑でなれない手順でも、皆さんオリジナルのしめ縄を作り上げることができました。

昔のくらしを体験しながら、そして作り方をわかりやすく伝え、達成感も感じてもらえる。準備から指導の仕方まで、郷土資料館の職員Yさんは絶えず工夫を凝らしているのです。そうした。郷土資料館の仕事について、理解を深めていただけましたでしょうか。

職場体験は2日間で、明日が最終日となります。

春日部はじめて物語 水道編

あらゆる物事にははじまりがある。春日部における、物事の始まりをこそっと教える「春日部はじめて物語」。第一回目(最終回かもしれませんが)、皆様の生活に潤いを与える水(水道)の話です。水道の整備は、都市への移り変わりの歴史でもあります。

 

春日部で、水道が使われるようになったのは、昭和29年(1954年)4月のことです。当時は、春日部町。この年の7月に、「春日部市」が誕生しましたので、水道は春日部市の誕生より少し前から利用されていたことになります。
昭和29年の春日部市の人口は、3万人ほどでした。はじめ、水道を使うようになったのは、市街地のわずか5000人ほどの人たちで、それ以外の人は、井戸の水を使っていました。

写真:井戸ポンプ
水道が普及する以前、赤痢(せきり)や疫痢(えきり)など、消化器系の感染症が流行ることがありました。この解決策として水道は整備されていきました。

 

昭和30年(1955)以降、春日部市の人口は急激に増えていきます。人口が増えると水道の利用も増え、飲料水が不足することになります。市は、水源を確保するため、深井戸をほる工事を進めました。

画像:春日部市の人口変遷

図:旧春日部市の人口変遷
深井戸は、従来の井戸(浅井戸)に対し、30メートル以上の深さから地下水を利用するもので、機械を組み立てて掘削します。当時の広報誌の写真がのこっています。

写真:昭和35年3号深井戸さく井昭和35年(1960)3号深井戸さく井

写真:昭和38年4号井戸工事昭和38年(1963)4号深井戸さく井

 写真:昭和39年5号深井戸工事昭和39年(1964)5号深井戸工事

相次いで、各所に深井戸が掘削されたのです。

しかし、 昭和37年(1962)9月15日の埼玉新聞によれば、当時、春日部市では全市の73%にあたる2万7000人に給水するが、後から給水が開始された農村部、武里の大畑・大枝・備後付近では水の出が悪く、7、8月には学校の給食やプールの水に事欠き、家庭でも水が出ないために氷を買っているありさまだ、と報じられています。

写真:水道管の整備昭和41年(1966)7月武里地区での水道管工事 

さらに、人口が激増するなか、水をろ過、滅菌処理する浄水場の建設も相次ぎました。

昭和37年(1962) 北部浄水場が完成
昭和42年(1967) 南部浄水場が完成
昭和45年(1970) 東部浄水場が完成
昭和49年(1974) 庄和浄水場(県の施設)が完成
昭和50年(1975) 西部浄水場が完成

現在、春日部市の水は、江戸川の表流水、地下水が水源となっています。

 

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】行田市教育文化センター「みらい」でリレー展示が開催されています

行田市の教育文化センター「みらい」で東部地区文化財担当者会リレー展示「都鳥が見た古代」が開催されています。

教育文化センター「みらい」は、延べ床面積約5,951平方メートル、501席のホール、中央公民館、図書館、視聴覚ライブラリーが入る大きな施設です。

展示は、図書館入口手前にある談話コーナーで行われています。

資料展示として、林遺跡(行田市桜町三丁目、長野一丁目)の奈良時代の出土資料を展示しています。林遺跡はこれまでに38回の調査が行われ、奈良~平安時代の竪穴建物跡が20軒以上、確認されています。瓦堂(がどう・木造建築の堂を模して作った瓦製品)が出土している馬場裏遺跡が北西に隣接し、林遺跡とともに一帯は大きな集落であったようです。

行田市といえば埼玉古墳群が有名ですが、古墳時代に続く奈良時代、平安時代の遺跡も多く、条里制の名残が認められる南河原条里跡遺跡や池守遺跡、大きい集落である北大竹遺跡や築道下遺跡などがありあます。

掘立柱建物の遺構や当時の役人が使うような遺物の出土も多く、埼玉郡(さきたまぐん)の郡家(ぐうけ)は行田市周辺にあったのではないかと推測されています。

 

教育文化センター「みらい」は、埼玉古墳群やさきたま史跡の博物館がある「さきたま古墳公園」から約1kmの距離にあります。ぜひ、あわせてお出かけください。

 

展示の詳細は下記の通りです。

●行田市教育文化センター「みらい」「都鳥が見た古代」

開催期間 令和7年12月6日(土曜日)~12月21日(日曜日)

開催場所 行田市教育文化センター「みらい」 行田市佐間3-24-7

(秩父鉄道行田市駅下車、徒歩で新町一丁目バス停、吹上駅行き朝日バス、佐間団地下車、徒歩約10分、 駐車場あり)

開館時間 午前8時30分から午後9時30分まで

休館日  毎週月曜日

お問い合わせ (048)553-3581(行田市文化財保護課)

 

東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中(残部僅少)です。詳しくはこちら

 

*リレー展示「都鳥が見た古代」は、下記日程で開催予定です。次回、宮代町がいよいよ最後の会場です。

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示