日々の様子

卒業生が羽ばたいていきました

第49回卒業式を行いました。

暖かな春の陽気の中、卒業生は旅立っていきました。

 

卒業おめでとう!

卒業生の皆さんに、幸あれ!

 

 

 

学校長式辞

 学び舎の敷地内にあるコブシや染井吉野の花が、春の開演を告げているかのごとく、次々に開き始めました。その舞台は、皆さんの卒業のために、タイミングを合わせてくれたようです。

今日は、卒業式です。

 本日は、多摩市立連光寺小学校、第49回卒業式に際し、多摩市教育委員会、教育センター長様、多摩市立聖ヶ丘中学校、副校長様をはじめとして、本校の教育活動を温かく見守り、支えてくださった、地域のご来賓の皆様にも、ご多用の中、ご臨席賜りました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

 保護者の皆様。お子様のご卒業、おめでとうございます。6年前のうららかな春の日の入学式に手をつないで門をくぐったことや、数々の行事や出来事、小学校生活の今日(こんにち)までの記憶が蘇り、その成長の足跡に、お慶びもひとしおかとご推察いたします。6年間にわたる、教育活動への変わらぬご支援に、改めて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 さて、58名の卒業生の皆さん。改めて、ご卒業、おめでとうございます。

先ほど、皆さんは卒業証書を手渡され、小学校の全過程を修了することになりました。小学校生活のたくさんの思い出とともに、4月からの新世界への希望に胸を膨らませていることでしょう。

手にしている卒業証書には、小学校生活で仲間とがんばり、成長し続けた、皆さんの汗や涙。そして、これまでみなさんを励まし、支えてくださったご家族、地域の方々、先生たちの熱い思いが込められています。そのことに思いを馳せ、どうか、かみしめてください。たくさんの方々の温かいまなざしのもとに成長できた、幸せの証(あかし)となる、一枚の卒業証書なのです。

 みなさんの門出を祝し、私の願いを、お話しさせてください。

 平成22年から23年にかけて、皆さんはこの世に生を受けました。その年度に日本に起きた出来事。やはりそれを語らずにはいられません。

そう、3・11。東日本大震災です。

経験したことのない揺れや津波に大きな被害を受け、当時最大で47万人の方が避難生活を余儀なくされました。多摩市の人口の3倍です。多くの方が着の身着のまま、学校の体育館や公共施設などで避難生活を送ったのです。想像を絶する状況です。当時、連光寺小学校の児童にも避難されてきた方がいました。

さて、それから皆さんの成長と歩みを同じくして、12年が経ちました。避難者数はどうなっていると思いますか。

復興庁がこの3月に発表した資料によると、未だ30,884名の方が避難生活を送っています。その中でも、福島県は27,789名。そう、福島第一原子力発電所の事故によって放射能が拡散したことにより、未だ故郷に帰ることがかなわない方々がいます。

その中には、きっと皆さんと同じく、生まれて間もないころに避難をして、今も避難生活を続けている6年生がいるはずです。

 そう、この瞬間も。

 今年1年間、最上級生としての優しさをたくさん見せてくれた皆さんであれば、その状況を考えたとき、きっと心の温かな部分が、何かを思うことでしょう。

 みなさんは総合的な学習の時間で、「再生可能エネルギー」に取り組みました。温暖化の一途をたどっている地球には、再生可能エネルギーの活用は不可欠です。また、福島のような事故が再び起きたら、その被害が収まるまでにやはり数十年以上の時間を要します。その意味でも、「再生可能エネルギー」の活用は、なくてはならないものです。

しかし、再生可能エネルギーによる発電は、そんなに簡単なことではないことは、授業で取り組んだ皆さんが実感した通りです。みなさんは本当にあきらめずに試行錯誤しながら取り組みました。もっとうまい方法はないのか、他の手はないのか、と工夫を重ねながら、粘り強く活動していました。一緒にやっていて、感心したほどでした。そしてみなさんはイルミネーションの灯を灯します。

 「ミライ カエル」と。

 未来を変えるには、技術革新や産業改革がもちろん必要ですが、それ以上に大切なことが二つあります。

行事や普段の学校生活の中で見せてくれた、「優しさ。」

「未来を変える」と諦めずに取り組んでいく姿勢。

近くの人を思いやり、遠くの人を自分事のように考えること。何かしないとと諦めずに思い、動くこと。

「優しさ」と「諦めないこと」

みなさんには、その力が備わっていました。

 小学校生活で学んだこと。仲間とつながりながら、優しさをもち、諦めないこと。どうかそのことを忘れずにいてください。これから皆さんが生きていく世界で、一歩一歩進んでいくときに、きっと勇気と希望を与えてくれるはずです。それが、育ててくれた先生たちが、連光寺小学校が、皆さんに授けたことではないでしょうか。

 さあ、いよいよ旅立ちの時がやってきました。これから皆さんが未来を変えるためにしなくてはならないことは、この連光寺小学校で学んだことを、授かった思いを、周りに、世界に、広げていくことです。

 君たちならば、未来を思える。

君たちならば、変えられる。

私は、先生たちは、そう信じています。

未来は、あなた次第。あなた自身。

 皆さんの生きる未来が、希望にあふれることを祈念して、はなむけの言葉といたします。

ご卒業おめでとうございます。

 令和五年三月二十四日  多摩市立連光寺小学校長 關口 寿也

 

 

保護者・地域の皆様。

本日の卒業式をもちまして、令和4年度の連光寺小学校の教育活動は滞りなく終わりとなりました。

今年度の教育活動へのご理解・ご協力にあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

新年度、4月からの令和5年度もどうぞよろしくお願いいたします。